Symposium
令和3年度北海道大学広域複合災害研究センター・読売新聞北海道支社共催防災シンポジウム「冬の北海道の広域複合災害」を開催
開会挨拶をする寳金清博総長
基調講演中の丸谷知己北大名誉教授
【開催報告】
広域複合災害研究センター(Center for Natural Hazards Research, 略してCNHR)は,読売新聞北海道支社と共催で令和3年度防災シンポジウム「冬の北海道の広域複合災害」を令和3年9月9日(木)にオンライン開催しました。北海道では,積雪厳寒期に地震などが発生した場合,暴風雪などの影響と相まって広域複合災害となる恐れがあり,電気,交通などのライフラインへの影響も大きくなることが懸念されます。本シンポジウムでは,気候変動下での豪雪予測,積雪厳寒期の道路交通災害や災害時の行政対応,平常時からの対策,感染症に配慮した避難対策,災害情報の収集・伝達などについての講演や議論がありました。シンポジウムには一般住民から多くの事前申込があったほか,当日は国や道,市町村の防災担当者,研究者,民間コンサルタントの技術者なども含めた120人以上が視聴しました。
シンポジウムでは,北海道大学の寳金清博総長から開会のご挨拶をいただいたのち,北海道大学名誉教授で,(地独)北海道立総合研究機構の丸谷知己理事から「無用の用 -災害軽減のためのバッファゾーン-」と題した基調講演,その後,一般講演6題とパネルディスカッションを行い,最後に読売新聞の稲葉光秋北海道支社長より閉会挨拶がありました。
一般講演では,CNHR兼務教員である稲津將教授(理学研究院)から「気候変動下での北海道における豪雪」,同じくCNHR兼務教員である萩原亨教授(工学研究院)から「自然災害により発生する道路交通災害について」,国土交通省北海道開発局事業振興部の桑島正樹調整官から「北海道開発局の防災業務と雪害・暴風雪対策」,北海道総務部危機対策局の野崎直人局長から「感染にも配慮した警戒避難対策」,読売新聞北海道支社の井上雄太記者から「北海道地震の取材経験を踏まえた災害情報の収集と伝達」,CNHR専任教員の岡田成幸特任教授から「積雪寒冷地域における広域複合災害の課題と減災の考え方」と題してそれぞれ講演いただきました。
引き続いて行われたパネルディスカッションでは,CNHR副センター長の厚井高志准教授をコーディネーターとして,「冬の北海道の広域複合災害を考える」をテーマに,気候変動の影響も考慮した“冬期に想定される広域複合災害”,災害情報の取得などに焦点を当てた“対策や避難を実施するうえでの課題”,以上を踏まえた“効果的な減災対策の在り方”について,一般講演いただいた6人をパネリストに迎えて議論が交わされました。
CNHRでは,防災に係るシンポジウムを年1回開催しており,今後も複雑化,多様化する自然災害に焦点を当て,行政や一般住民を対象としたシンポジウムを開催し,継続的にアウトリーチ活動を行っていきます。
なお,本学と読売新聞北海道支社は、本年3月に、相互に連携した社会貢献活動を推進するための包括連携協定を締結しており,今回の防災シンポジウムはこの連携協定の一環として共催で開催しました。